WBC辞退者が多いはなぜなのか?選手の発言から大会の意義を考える

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いよいよ幕を開けた第4回WBC。しかし開催真際になって、各国のメジャーリーガーが相次いで辞退が発表されています。

また当初よりメジャー球団は選手のWBC参加を快く思っていないともいわれています。

そこで、なぜ毎回辞退者が相次ぐのかを選手の発言をもとに考えてみたいと思います。

WBCに関する選手の発言

それではWBCに関するメジャーリーガーたちの発言を見ていきます。

 

ノア・シンダーガード

 

メッツの若き剛腕投手で仮に参加すればアメリカ代表のエースを任されるであろう投手です。

彼はこのように発言しています。

 

 The Mets right-hander said Friday that he has no regrets about turning down an invitation to pitch for Team U.S.A. in the World Baseball Classic is focused on the Mets 2017  season.   "Because I am a Met. Nobody  made it to the Hall of Fame or won a World Series playing in the WBC," Syndergaard explained.

 

訳すとこんなニュアンスになります。

メッツの右腕は金曜、WBCアメリカ代表として招聘されたのを断ったことについて、後悔しておらずメッツでの2017年シーズンに集中していると語った。

「僕はメッツの一員なんだ。だれもWBCに出場しても、殿堂入りやワールドチャンピオンになることはできない」とシンダーガードは説明した。

 

以下の記事より抜粋

Mets' Noah Syndergaard, who’s loving his change-up, disses WBC - NY Daily News

 

ダルビッシュ有

 

以下は2012年7月にツイートされたもので、このように発言しています。

 

WBCの結果を知らない選手も多いし、米国、ドミニカ、ベネズエラはベストメンバーが出ていないから何とも思われていません。これが現実。」

 

ビクター・マルティネス

 

タイガースに所属するベテラン選手。現役屈指のスイッチヒッターで通算1936安打、227安打など輝かしい実績を誇る。

WBCには2006年にベネズエラ代表として出場し、今大会も出場予定。

彼はアメリカのデトロイト紙でこのように発言しています。

 

WBCが3月に開催されることについて 「本音を言おう。あのトーナメントで全力で戦う準備はだれもできない」 ・選手の状態が万全でない中、国の威信をかけて戦う状況に対して 「不公平」 ・各国リーグの開催を一時中断し、ワールドカップや五輪開催に協力するFIFAやNHLの体制について「大きな意味がある」 シーズン中の開催であるならば「制限なく、選手はすべてを出し尽くせる」

 

以下の記事より抜粋

ベネズエラ代表選手がWBC開催時期に疑問「全力で戦う準備は誰もできない」 (Full-Count) - Yahoo!ニュース

 

 

 

メジャーリーガーの発言から考えるWBC参加の意義

 

シンダーガードとダルビッシュの発言は、選手としてWBCに参加することに意義がないと受け取ることができます。彼らのようにWBCに参加する意義がないと考えるのはなぜなのかを探ります。

 

WBCに参加する意義がない理由

 

注目度の低さ

 

アメリカの選手にとっても、国を代表して戦うことは非常に名誉なことであるとは思います。しかし、アメリカ国民の注目はWBCに全く向けられていないのが現状です。

その原因としてアメリカのメディアが野球関連のニュースは大部分をスプリングトレーニングやオープン戦を取り上げるためWBCはほぼ取り上げられません。

また3月はアメリカで全米規模の注目が集まる大学生の男子バスケットボールの全国トーナメントが行われることや、MLB以上に人気があるとされるNBAやNHLのシーズンが丁度佳境の時期に当たるため、アメリカ国民の目をWBCに向けろと言われてもとても難しいのだそうです。

実際、第2回大会ではアメリカ代表の試合でも空席が目立ち、視聴率は最高でも2パーセント程度だったそうです(この時アメリカはベスト4まで進出したにもかかわらず)。

このように日本や韓国などWBCに注目される国柄であれば、国を背負って戦うことが名誉であるのかもしれませんが、たいした注目もされず大会直後に長いシーズンが控えるともなると出場辞退する選手がでるのは当然のように思えます。

 

開催時期の悪さ

 

ビクター・マルティネスの発言はWBCの開催時期に疑問投げかけています。

多くの出場国がシーズンを間近に控える中でこのような大会に参加することは選手にしてみればリスクでしかありません。

WBCで活躍したからといって、年俸が上がるわけでもないですし、調整不足の中で試合に臨むことにより故障のリスクも付きまといます。仮にこの時期の大会で、全力プレーをした結果、シーズンを棒に振るようなことがあればほとんどの選手は後悔するでしょう。

そのような状況では、参加している選手たちが全力でプレーができないと語るのは至極まっとうな意見だと思います。

 

最後に

 

WBCは、注目度の低さと開催時期の悪さから、多くのメジャーリーガーを始め選手にしてみれば、出場辞退が相次ぐのは仕方ないことなのだと思います。

事実、開催間際になって故障を理由に辞退する選手が相次いでいます。

選手からしてみれば、こんな大会で無理をしたくないというのが正直な気持ちなのだと思います。

最後にWBCの公式Twitterでこのような報告がされていたのでお伝えします。

 

今大会は注目度が上がっている ?

 

WBCの公式Twitterによると3月11日にマーリンズパークで行われる1次ラウンドのアメリカ対ドミニカ戦のチケットが完売したそうです。

優勝候補国同士のマッチアップとはいえ、アメリカでチケットが売れたということはアメリカ国民のWBCに対する注目度が上がっていることを伺うことができます。

 

 

このようにこれまでWBCに関心の低いとされていた開催国のアメリカで注目度が上がっているのは、出場する選手のモチベーションにもつながりますし、今後のWBCの発展に向けてよい兆しなのではないでしょうか。