プエルトリコのWBC優勝のカギを握るキャッチャー モリーナに注目
WBCでプエルトリコは前回の準優勝、そして今大会でも大躍進を見せています。
その中で、圧倒的な存在感を示す選手がいます。それが、プエルトリコの投手陣を引っ張るキャッチャー ヤディアー・モリーナです。
今回は、プエルトリコのWBCの優勝のカギを握るモリーナについての紹介と今大会の活躍を振り返ります。
ヤディアー・モリーナとは
モリーナは、メジャーの中でも髄一の選手として知られている選手です。
肩が非常に強く、ロケットランチャーと称されたこともあるほどです。またリードも非常に巧みでチームでも投手陣の大きな信頼を得ています。
これまで各ポジションで最も守備のうまい選手に贈られるゴールドグラブ賞を2008年~2015年まで8年連続受賞(昨シーズンは途切れた)と2009年から昨シーズンまで7年連続でオールスターに選ばれているまさしくメジャーで一番のキャッチャーといえます。
WBCには2006年から欠かさず出場しており、プエルトリコの顔といってよい選手です。
ちなみにモリーナには二人の兄がいるのですが、その二人もメジャーでキャッチャーとして活躍した選手で、モリーナ三兄弟として知られています。
今大会の活躍
今大会においてもモリーナのチームに対する貢献度は最も高いといってよいです。
その大きな理由が、各国のメジャーの投手たちが打ち込まれる中で、自軍の投手陣をリードして好投させたことにあります。
一次ラウンド、プエルトリコはプールDでベネズエラ、メキシコ、イタリアとメジャーリーガも出場している国々と戦いました。
一次ラウンドのプエルトリコ以外の大戦のスコアを以下に記します。
イタリア対メキシコ 10-9
イタリア対ベネズエラ 10-11
ベネズエラ対メキシコ 9-11
イタリア対ベネズエラ 3-4
ご覧のように酷く大荒れな試合が目立ちました。その理由として、ベネズエラやメキシコはメジャーリーガーが数多く出場しているため、打線が強力だということもあると思います。
ですが、それ以上に大きな理由があります。
それは球場です。プールDの一次ラウンドに使用されたメキシコの球場は、標高が非常に高く、ボールが異常に飛びやすい状態にありました。
そのため、ホームランや長打が相次ぎこのような大荒れな試合が多数みられたのです。
ではプエルトリコの対戦カードのスコアを見てください。
メキシコ対プエルトリコ 4-9
プエルトリコ対イタリア 9-3
ご覧のようにプエルトリコは、3試合でわずか7点しかとられていません。
他の国がたくさん点を取られる中で、プエルトリコがこれだけ抑えられたのはモリーナの力があってこそいってよいでしょう。
プエルトリコは、投手陣はメジャーリーガーもいますが、層の厚さ的には薄いといわれていました。また、今大会屈指の強打者をそろえ、プエルトリコ戦以外では大量得点を取っていたベネズエラを無失点に抑えられたのは、間違いなくモリーナのリードに他なりません。
また、ピンチの場面や投手がコントロールを乱した時にはすぐにマウンドに行き、叱咤激励する場面が何度も見られました。
このように、モリーナはそのリードと強肩を含めた守備力の高佐とチームを鼓舞する力で、投手層が決して熱いとは言えないプエルトリコの投手陣を盛り立て、ここまで導いてきたのです。
打者としても大きな期待を背負う
モリーナは打者としてもすぐれていて、今大会ではプエルトリコの5番を担っています。
二次ラウンド初戦の大事なドミニカ戦では先制打に加え、6回に貴重なソロホームランを放つなど、二次ラウンド終了時点で打率.353、2本塁打、6打点の好成績を残しています。
このように、打者としてもモリーナはプエルトリコにとって欠かせない選手なのです。